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衣料品でよく耳にする「ニット」という言葉ですが、いったい何のことなのか?どのような意味があるのか?製品の名称?といった疑問について解説しますね。

また、ニットの種類や特性についても分析し、纏(まと)めましたので早速見てみましょう!

ニットとは?どのような意味でいったい何?

ニットとは、英語で「knit」と書き、日本語では「編(あ)み物」で生地(素材)のことです。最近では、編み物であれば生地の段階から衣料品などを全般に略してニットという場合があります。

従来、日本ではニットを「メリヤス」と呼び、スペイン語の「メディアス」やポルトガル語の「メイアス」が語源と言われています。これらの言葉は靴下の意味を持っていますが、ニットが用いられた頃は靴下が主要な製品であったことから、ニット製品を「メリヤス」と呼んでいました。

日本では「メリヤス」というと肌着のイメージがあるようですが、現在は靴下や肌着だけではなく、セーターやドレス、ジャケットなどアウターウエアにも幅広く使用されるようになり、今では「メリヤス」という言葉で統合するのは困難となり、ニットという言葉が一般的に使われるようになりました。

編(あ)み物である「ニット」と織物の違い

生地には、大きく分けると「編み物」と「織物」の2つに分けられます。

編み物であるニットは、糸を一方向にループ(編み目)を連続させて作られたもので、織物は経(たて)糸と緯(よこ)糸を交差させて作られています。編み物であるニットは経(たて)と緯(よこ)方向に変形可能で伸縮が大きく、織物は一般的に伸縮が小さいと言われています。近年では、それぞれの特徴を活かした数多くの製品が作られています。

 

衣料用途として

  • ニット(編み物)
    Tシャツ、ポロシャツ、セーター、カーディガン、マフラー、帽子など
  • 織物=布帛(ふはく)
    Yシャツ(ブラウス)、コート、ジャケット、ビジネススーツ、礼服など

最近では、技術の進化に伴いニット生地でYシャツ(ブラウス)やビジネススーツ、礼服なども数多く作られるようになりました。

ニット生地は、伸縮が大きいので運動性に優れていることからさまざまな用途に使用されていますね。

ニット生地の種類と特性を分析!

ニット生地には、経(たて)方向にループを連続させて作る「経(たて)編み)」と緯(よこ)方向にループ(編み目)を連続させて作る「緯(よこ)編み」といった大きく2種類があります。

他に「丸(まる)編み)」がありますが、緯(よこ)編みに属し、緯(よこ)方向から「らせん状」にループ(編み目)を連続させて筒状に作ります(※筒状はカットされて一枚の状態になります)。

経(たて)編み

基本的には、「デンビー編み」「コード編み」「アトラス編み」の3つがあります。

  • デンビー編み
    表目の緯(よこ)糸を経(たて)糸に絡ませて作るシンプルな編み方。
  • コード編み
    表目の緯(よこ)糸が二本目の糸まで飛び越して移動させる編み方。
  • アトラス編み
    表目の緯(よこ)糸を斜めに連続させ、途中から反対側に折り返すジグザグな編み方。

緯(よこ)編み・丸(まる)編み

基本的には、「平編み」「ゴム編み」「パール編み」「スムース編み」の4つがあります。

  • 平編み
    天竺(てんじく)編みとも呼ばれ、表目が緯(よこ)に連続している編み方。表と裏の区別がはっきりしている
  • ゴム編み
    リブ編みとも呼ばれ、表目と裏目が交互に緯(よこ)方向へ並んだ編み方
  • パール編み
    ガーター編みとも呼ばれ、表目と裏目が交互に経(たて)方向へ並んだ編み方
  • スムース編み
    インターロック編みとも呼ばれ、表面と裏面ともに表目の外観を示し、平滑な編み方。2枚のゴム編みを1枚に結合した組織

ニット(生地)の特性

  • 伸縮性
    製品にした時、着脱がしやすく、運動機能性に優れている
  • 柔軟性
    感触がソフトで体によくなじみ、着心地がよい
  • ドレープ性
    着用時は生地の張り感が少なく、垂れ下がる性質が強い

ニット(生地)の用途

  • 衣料品
    アウターウエア、インナーウエア、スポーツウエア
  • インテリア
    カーテン、壁装類、敷物、椅子張り
  • 産業資材
    工業(自動車ガラス成形クッション材など)、土木(コンクリート剥落防止など)、農業(虫除け資材など)、自動車内装材(シートなど)、医療用(シップ材など)

ニットは衣料品全般に使用いられていますが、インテリアや産業資材にも幅広く用いられ、日常生活にも深いつながりを持っています。

今回のまとめ

○ニットとは?どのような意味で何のこと?
英語で「knit」と書き、日本語では「編(あ)み物」に当たり、生地(素材)のことです。
従来、日本ではニットを「メリヤス」と呼んで靴下や肌着を製造していましたが、今ではセーターやジャケットなどアウターウエアにも幅広く使用されるようになり、ニットという言葉が一般的に使われるようになりました。

生地には、大きく分けると「編み物」と「織物」の2つに分けられます。
ニット(編み物)は、糸を一方向にループ(編み目)を連続させて作られたもので、織物は経(たて)糸と緯(よこ)糸を交差させて作られたものです。

○ニット(生地)の種類と特性
ニット(生地)には、「経(たて)編み)」と「緯(よこ)編み」といった大きく2種類があります。
他に「丸(まる)編み)」がありますが、緯(よこ)編みに属し「らせん状」に編んだものです。

  • 経(たて)編み
    「デンビー編み」「コード編み」「アトラス編み」の3つ
  • 緯(よこ)編み・丸編み
    「平編み」「ゴム編み」「パール編み」「スムース編み」の4つ

○ニット(生地)の特性
伸縮性、柔軟性、ドレープ性など

○ニット(生地)用途
衣料品、インテリア、産業資材など

ニットの特性から衣料品に多く使用されていますが、新しい糸の開発や編み方の進歩によってインテリアや産業資材など、さまざまな用途で使用されるようになりました。

これからもニットの進化は続きます。

最後まで、ありがとうございました