アパレル・ファッション業界に欠かすことのできない素材、そんな素材には沢山の種類がありますよね。アパレル業界ではそれぞれが持つ素材の特徴を理解し、デザインやシルエットをイメージした上で生地を仕上げ、製品にしています。

店頭にある商品の殆んどが、このようなプロセスを経て製品化し販売へ繋げていますね。

ここでは、特にアパレルで使用する素材に絞って、その特徴を解説しています。これから製品を作成する時のヒントや商品を購入しょうとお考えの時にお役立てください。

それでは、素材の基本となる繊維について解説します。繊維は「天然繊維」「化学繊維」の2つに大別されますので、それぞれに分けて見てみましょう!

天然繊維(素材)

天然繊維は、植物、動物、鉱物から採れる繊維をいいます。そのため生産量や品質は、気象状況や自然災害などの影響で、その年によって変動します。

綿(コットン)や麻などの植物を由来とする「植物繊維」と羊毛や絹(シルク)などの動物を由来とする「動物繊維」、石綿を由来とする「鉱物繊維」に分かれます。

ここでは、アパレルでよく使う「植物繊維」「動物繊維」に絞って、その特徴を解説しますね。

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植物繊維(※主な種類と特徴、参考のアパレルなど)

主成分は植物細胞壁の骨格成分であるセルロース。原料となる種子毛繊維の綿花は、世界中で最も大量に生産されていて、全繊維の約50%に相当。生産量は年々増加傾向にあります。

◆綿(コットン)

綿は、種子に付いた種子毛を原料とした繊維。主成分はセルロース。細くて長い繊維ほど上質とされ、短い繊維は再生繊維(ポリノジック/キュプラなど)に使用されます。

綿繊維は断面を観察すると、中に空洞がありそら豆のような形をしています。また、「天然のねじれ」が見られ、吸湿性保温性に有効な機能があります。
生産国:主に中国、インド、アメリカ。

《素材特徴》

  • 吸湿性が非常に高い。
  • 柔らかな肌触り。
  • 保温性がある。
  • 静電気が起き難い。
  • 強度があるため、洗濯が簡単
  • アイロンなどの高温に強い。
  • シワになり易い。

アパレルで最もよく使用される素材で、肌に直接触れるアイテムに最適です。参考のアパレルは、シャツ全般、肌着(下着)、ソックスなど。

◆麻(リネン・ラミー)

麻は、綿と同様に繊維の中心部に空洞がある繊維です。アパレルでよく使用される種類は「亜麻(あま)」と「苧麻(ちょま)」の2種類です。亜麻(あま)をリネンといい、その断面は多角形(形状)をしています。繊維に「節」(竹などの茎にあるふくれた区切りのこと)が所々にあり、繊維質由来の硬さが見られます。

また、苧麻(ちょま)をラミーといい、その断面は扁平(へんぺい)で楕円、そら豆のような形状をしていて、リネン同様、中心部に空洞を持つことから綿に似た形状です。繊維に天然のねじれはありません。

麻の繊維は、綿(コットン)より太く丈夫で放熱性に優れてます。

《素材特徴》

  • 吸湿性と放熱性に優れ、ひんやり冷たく感じる。
  • 糸に「節」があるため、表面にスラブという自然な凹凸が出る。
  • 繊維が硬く反発性がないため、シワになりやすい。
  • 染料が繊維に浸透し難く、色落ちがしやすい。
  • 強くて丈夫(特に水を含むと強くなる)。
  • 日光や蛍光灯で変色しやすい。

「夏」を代表する素材。独特な麻のシワは、上品なカジュアル感をアップさせますが、ターゲットによって向き不向きがハッキリします。参考のアパレルは、ジャケット、ブルゾンなど。

動物繊維(※主な種類と特徴、参考のアパレルなど)

動物から採れる繊維をいい、主原料はタンパク質です。動物繊維の特徴は、繊維にクリンプという縮(ちぢ)れがあるため、弾力性が出て空気を含んだような膨らみ感のある生地に仕上がります。

動物の体毛は、過酷な環境に耐えることができる特殊な構造になっているため、外気の変化にも対応が可能。肌触りが良く、断熱材のような暑さや寒さから身を守る機能があります。

◆羊毛(ウール)

一般的に「メリノ種」のことをいいます。世界のウール生産量の約40%がメリノ種であり、柔らかく、上品な光沢があります。世界最大の生産国は、オーストラリアですね。

羊毛は、ケラチンというタンパク質で出来ています。ウロコ状の表皮部分(スケール)と皮質部分(コルテックス)から構成され、スケールが繊維を保護し水分を弾き、コルテックスは吸湿性があります。

《素材特徴》

  • 水分を弾く性質を持つが、湿気を吸収する。
  • 繊維のクリンプ(ちぢみ)によって、伸縮性と弾力性に優れシワになり難い。
  • 断熱材のように熱の伝導率が低い。
  • 発色性が良く、色落ちが少ない。
  • 柔らかく、保温性効果があるため、インナーからアウターまで様々な商品に使用可能。
  • 洗うと縮む商品が多い(ウォッシャブル加工品を除く)。
  • 虫の害を受けやすい。

伸縮性弾力性に加えて断熱する効果があり、通年向けの素材としてアパレルに使用されています。春夏向けは強撚糸(強くねじれた糸)でサラサラした生地に仕上げ、秋冬向けは起毛(生地を毛羽立たせる)素材を使用し保温効果を出すことで季節を分けていますね。

参考のアパレルは、コート、スーツ、ジャケット、スラックス、スカート、シャツ、下着、ソックスなど(オールシーズン対応)可能。幅広く使える機能性に優れた正に万能素材!

◆モヘア

アンゴラヤギから採れる獣毛繊維です。羊毛と比較して毛足が長く、繊維のコシが強い。ドライな感触と美しい光沢があります。主要産地は、トルコ、南アメリカなど。

《素材特徴》

  • 絹(シルク)のような上品な光沢がある。
  • 断熱性に優れている。春夏向け素材。
  • 弾力性はあるが、伸縮性は少ない。
  • ドライな感触から静電気が起きやすい。

独特な光沢がありドライタッチで断熱性(機能)が優れているため、春夏向けの素材として使用されていますね。参考のアパレルは、コート、スーツ、ジャケット、セーター、ショールなど。

◆カシミヤ

カシミヤヤギから採れる獣毛繊維です。上品な光沢があり軽く、独特な柔らかさから「繊維の宝石」と言われています。稀少性があり1頭のカシミヤヤギから採れる原毛は150~250グラム。セーター1枚に約4頭分の原毛が必要になりますね。

カシミヤヤギは主に、中国の北西部地方、ネパールのヒマラヤ地域、モンゴル、イランの高い台地に生息しています。

《素材特徴》

  • 上品な光沢と軽さ。
  • 独特な柔らかさは繊維の細さ(直径14.5~16.5ミクロン)。
  • 吸湿性に優れ、保温性効果がある。
  • 摩擦に弱く、毛玉になりやすい。
  • 稀少性があるため、価格が高い。

稀少性から価格が高く使用されるアイテムも少ないのが現状です。保温性の機能が高く、秋冬のアイテムが目立ちますよね。デリケートな素材のため、月一回は手入れが必要。参考のアパレルは、コート、ジャケット、セーター、マフラーなど。

◆アルパカ

南アメリカ大陸原産の家畜でラクダ科のビクーニャ属またはラマ属。南米ペルーの中部から南部、ボリビアに分布。海抜およそ3,500~5,000メートルの高地に生息しています。

生まれて初めて刈り取った原毛を「ベビーアルパカ」と称されていますね。アルパカは、1回の採毛量が3キログラム程で毎年は刈り取りません。1頭からの刈り取りは、生涯で3~4回程度です。

《素材特徴》

  • 柔らかく滑らかなタッチ感。
  • 上品な光沢は、絹(シルク)に近い。
  • 毛並みがよく、発色性(鮮明な色が出ること)に優れている。
  • 主が茶色の原毛が多いため、淡色は希少性がある。

極めて良質な体毛で柔らかく保温性発色性(鮮明な色が出ること)機能に優れています。参考のアパレルでは、秋冬向けのアイテムに最適ですね。コート、ジャケット、セーターにおすすめ!

◆アンゴラ

アンゴラうさぎから採れる獣毛繊維です。繊維は長くて細く、柔らかくてハリ・コシもありますが、単独では羊毛にあるようなスケール(ウロコ状の表皮)が繊維にないため、滑って毛が抜けます。そのため、羊毛やナイロンなどと混ぜて使用することの多い素材です。

《素材特徴》

  • 体毛が白く、発色性(鮮明な色が出ること)がよい。
  • 繊維が長く、保温性に優れている。
  • 繊維が細く、柔らかい。ハリ・コシもある。
  • 繊維には、羊毛と違いスケール(ウロコ状の表皮)がないため、毛が滑って抜けやすい。
  • 摩擦に弱く、毛玉ができやすい。

軽くて滑らかな手触りが特徴です。アルパカ同様に保温性発色性(鮮明な色が出ること)機能に優れていますが、アンゴラ繊維を単独で使いことは殆んどありません。参考のアパレルは、ジャケット、セーター、マフラーなどに最適!

◆キャメル

ふたこぶラクダからとれる獣毛繊維です。春になると脱毛し、熊手のようなもので掻き集めて使います。カシミヤヤギよりも毛並みが太く、ハリ・コシはあります。モンゴルや中国の気温差(夏45度、冬マイナス30度)の激しいところで生息しているため、繊維も保温性機能が優れています。

《素材特徴》

  • 軽く、肌触りがよい。
  • 保湿性と弾力性がある。
  • 生産量が低く稀少性がある(羊毛の約0.14%程度)。
  • 染色性が悪いため、染めずにナチュラルな色が多い。

繊維は細く、長く、軽い。良質で柔らかい感触がありますね。参考のアパレルは、秋冬向けのオーバーコートやジャケットなどの高額品に使用されています。

◆絹(シルク)

蚕(かいこ)の幼虫が、口から出した繭(まゆ)を採取します。絹(シルク)は、紀元前4千年頃から中国で作られ、それを西方のインド、イランやローマに運んでいた交通路をシルクロードといいます。絹(シルク)は、天然繊維では唯一の長繊維(フィラメント)で1つの繭は、600~1,100メートルの長さがあります。

《素材特徴》

  • 上品で美しい光沢(三角断面形状の繊維による効果)。
  • 軽くて保温性に優れている。
  • ドレープ(しなやかなタルミ)性がある。
  • タンパク質の組成によって、虫の害を受けやすい。
  • 酸やアルカリ性に弱く、熱にも弱い。
  • 吸湿速乾性に優れている。
  • 擦れやすく、毛羽立ちやすい。

絹(シルク)繊維は、人の肌に近いタンパク質で出来ているため、皮膚の弱い方、アトピー性皮膚炎の方にも安心して利用できます。上品な光沢と軽くて吸湿速乾性の機能に優れています。参考のアパレルは、直接肌に触れる下着やシャツ、パジャマ、ソックスなどに最適です。

化学繊維(素材)

化学繊維は、人間が人工的・化学的に作り出した繊維のことをいいます。天然繊維の不安定な生産性の代替えとして、化学繊維と呼ばれる人工の繊維が生まれました。木材・石炭・石油・天然ガスなどの原料によって、再生繊維半合成繊維合成繊維に分別されます。

それでは、それぞれの素材が持つ特徴を見てみましょう!

再生繊維(※主な種類と特徴、参考のアパレルなど)

天然のセルロースからなる木材・綿・麻などの天然高分子化合物を化学的な処理によって溶解し、これを細孔などから引き出し紡糸した化学繊維です。

パルプを原料にした再生セルロース繊維やカゼインや大豆のタンパク質を原料にしたタンパク質系再生繊維などがあります。工業的には、パルプを原料にした再生セルロース繊維が一般的ですね。

◆リヨセル・テンセル

木材パルプを原料にアミンオキサイド系水溶液で溶かして製造した再生繊維で「精製セルロース繊維」ともいいます。テンセルは、イギリスの「コートルズ社」の商標名です。オーストリア(レンチング社)でも同じ精製セルロースがあり、これはリヨセル(商標名)になりますね。家庭用品品質表示法では「指定外繊維」と表示されます。

《素材特徴》

  • 繊維が柔らかく、ドレープ(しなやかなタルミ)性がある。
  • 美しい光沢と独特な肌触りがある。
  • 吸湿速乾性に優れている。
  • 濡れると繊維が硬くなる。
  • 摩擦の部分的な頻度によって、白化することがある。

この素材は、吸湿速乾性の機能に優れ、インナーによく使用されています。参考のアパレルは、肌着(下着)、シャツ、パジャマ、スラックスなど。

家庭用品品質表示法によって、指定されていない用語という意味から「指定外繊維」といいます。アパレルとしては摩擦に弱いため、洗濯時間を短くする(手洗い含む)など注意が必要です。

◆レーヨン(ビスコースレーヨン)

原料の木材パルクから絹(シルク)の外観(光沢)をイメージして人工的につくった繊維。レーヨンは、フランス語で「光線」という意味ですね。木材パルプに含まれている繊維質(セルロース)を一度薬品で溶かし、細長い繊維に再生することから再生繊維と呼ばれています。

《素材特徴》

  • 繊維は柔らかく、ドレープ(しなやかなタルミ)性がある。
  • 吸湿性がよく、ドライな肌触りを持つ。
  • 美しい光沢。
  • 擦れやすく、毛羽立ち易い(白っぽく見える)。
  • シワになり易い。
  • 水分を含むと収縮し、強度は低下する。

この素材もリヨセル・テンセル同様に吸湿速乾性の機能に優れています。参考のアパレルは、ジャケット、スカート、スラックス、シャツ、下着など。

シワは、アイロンで伸ばせますが、水分に弱いのでスチームアイロンは厳禁!アパレルではインナー以外の家庭洗濯は避けてください。

◆ポリノジック・キュプラ

日本で研究し、改良された「改良レーヨン」繊維。一般に繊維断面が円形のレーヨンになっており、水で縮むレーヨンの欠点を改良しています。

《素材特徴》

  • 発色性(鮮明な色が出ること)に優れている。
  • 繊維が柔らかく、ドレープ(しなやかなタルミ)性がある。
  • シワになり易い。
  • 吸湿性が高く、ドライな肌触り。
  • 水滴や雨によって、輪染みになることがある。

高度な技術から生まれたレーヨンと同様で美しい光沢があり、吸湿性の機能に優れています。参考のアパレルは婦人向けスーツやジャケット、ブラウス、下着、他アパレル裏地などに使われています。

半合成繊維(※主な種類と特徴、参考のアパレルなど)

セルロースなどの天然の高分子物質を化学的に処理してエステルなどの形に変え、繊維にしたもの。理論的な用語で一般市場で使われることは少ない。

◆アセテート・トレアセテート

水酸基の74%以上92%未満がアセチル化されている酢酸セルロースをアセテートと呼び、水酸基の92%以上がアクチル化されている酢酸セルロースをトリアセテートと呼びます。

アセテートは、シルクに似た光沢と深みのある鮮明な発色が特徴で、弾力性がよく、比重も軽く、ハリ・コシがありドレープ性(しなやかなタルミ)が特徴。吸湿性保温性の機能に優れています。

《素材特徴》

  • 美しいドレープ(しなやかなタルミ)性があり、理想のシルエットが出せる。
  • 絹(シルク)のようなこう光沢がある。
  • 適度な吸湿性と保温性がある。
  • 羊毛のような弾力性のある風合いと豊かさがある。
  • 強度はレーヨンより弱く、摩擦にも弱い。

生産量ではジアセテートの方が合成が容易であることから多くの量を生産している。参考のアパレルは、スーツ、ジャケット、スカート、スラックスなどに適しています。

合成繊維(※主な種類と特徴、参考のアパレルなど)

有機低分子を重合させてつくった高分子を、原料とする化学繊維で合繊と略す。石油を原料としているものが多い。カロザースによるナイロンの発明(1938年デュポン社発表)によって、合成繊維の衣料用途が確立され、それ以降はさまざまな繊維が発明、工業化されています。

◆ナイロン

1935年アメリカで開発され、1938年に商品化されました。合成繊維としては最も早く、当時は「石炭と空気と水」からつくられたナイロンは「蜘蛛(くも)の糸より細く、絹よりも美しく、鋼鉄より強い」と言われていました。ナイロンは、アミド結合によって合成高分子を紡糸し繊維にしたポリアミド系の合成繊維です。

《素材特徴》

  • 軽く、シワになりにくい。
  • カビや虫の害を受けにくく、保管が容易。
  • 極めて強く、水に濡れても強度が低下しない。
  • 速乾性は高いが、吸湿・吸水性は低い。
  • 静電気が起きやすい。

この素材は、軽くて強い!速乾性防シワ性耐久性の機能に優れています。

女性のストッキング用に使われたのが始まり!今やフルアイテムに活用されていますね。参考のアパレルは、軽量コート、スーツ、ジャケット、ブルゾン、スラックス、スカートなど。

◆ポリエステル

石油を原料に麻や綿をイメージして開発された合成繊維です。技術の進化とともに、減量加工された絹(シルク)にようなポリエステル繊維が生産されるようになり、今日ではハイテク技術を応用したマイクロファイバー(超極細繊維)が主流になっています。

《素材特徴》

  • 弾力性が高く、シワや型崩れの心配が少ない。
  • 吸湿性が低く、速乾性はある。
  • 水分による収縮が殆んどない。
  • カビや虫の害を受けにくく、保管が容易。
  • プリーツ(人工の折り目)の保持力が高い。
  • 静電気が起きやすい。

繊維の中でも特に開発が進んでいますね。天然繊維の持つ風合いや外観に近いものも開発されています。機能は、防シワ性速乾性耐久性です。

参考のアパレルは、コート、スーツ、ジャケット、スラックス、スカート、シャツなど。繊維はもちろんフィルムや容器など用途は広く、経済的にも優れていますね。

◆アクリル

主原料はアクリロニトリルという石油から作られる合成繊維です。その中では最も羊毛に似た性質を持っていて、柔らかく、暖かみのある風合い(肌触り)が特徴ですね。

《素材特徴》

  • ウールに似た性質の短繊維(ステーブル)と、シルクに似た長繊維(フィラメント) があります。
  • バルキー性(かさばって分厚い)があるため、保温性がよく、ふわっと温かい。
  • 羊毛やポリエステルよりも軽く、弾力性があるため、シワになりにく。
  • 毛玉が起きやすい。
  • 静電気が起きやすい。
  • 染色性に優れ、色鮮やかに染まる。色落ちの心配もほとんどない。

アクリルは、ポリエステルやナイロンと共に3大合成繊維と呼ばれ、その中でも保温性弾力性に優れています。参考のアパレルは、ブルドン、セーター、シャツ、マフラー、ソックスなど。他に毛布、ぬいぐるみなどにも多く利用されていますね。

◆ポリウレタン

ポリウレタンとは、ウレタン結合を有する重合体の総称で、通常イソシアネート基と水酸基を有する化合物の重付加により生成されます。

1959年に開発され、日本では1963年から生産されていますね。

ポリウレタン繊維は、天然ゴムの弾力性をイメージして開発され、スパンと呼ばれています。通常の繊維と比べ6倍以上も伸び、その回復力にも定評のある繊維です。

《素材特徴》

  • 空気中の水分で加水分解を起こし、弾力性の低下や劣化から糸が切れることがある。
  • 染色性が低く、熱や紫外線によって変色することがある。
  • 寿命は、着用に関わらず製造時から3年程度と言われている。

優れた伸縮性により、参考のアパレルとしてはポリウレタンの特性を活かした、シャツ(ブラウス含む)、スラックス、ブラジャー、ガードルなど。他に水着、レオタードなどに使われていますね。

関連記事:スーツを選ぶ時のポイントは3つ!生地の種類とそれ以外は何?

まとめ

アパレル業界で欠かすことのできない素材、その特徴を理解し、生地を仕上げ衣料品が生まれます。ここでは、特にアパレルでよく使用している17つの素材に絞って、その特徴を解説しています。

17つの素材が持つ機能性とそれに適したアパレルなども参考にしてください。

素材の基本となる繊維「天然繊維」「化学繊維」の2つに大別し、本文では以下の素材特徴と機能性、参考のアパレルなどを解説しています。

天然繊維(素材)

  • 植物繊維
    綿(コットン)、麻(リネン、ラミー)

  • 動物繊維
    羊毛、モヘア、カシミヤ、アンゴラ、アルパカ、キャメル、シルク

化学繊維(素材)

  • 再生繊維
    リヨセル/テンセル、レーヨン(ビスコース)、ポリノジック/キュプラ

  • 半合成繊維
    アセテート/トリアセテート

  • 合成繊
    ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン

アパレル業界では、多くの素材からアイデアを絞り、選別してイメージ通リの生地をつくり製品化しています。大事なことは、素材(繊維)の持つ特徴(機能性を含む)を理解し、今の時流にあった「素材」「デザイン」「価格」のアイデアでありバランスだと思います。

このバランスで何か一つでも違っているとヒット商品にはなりません!常に変化するバランスを日頃から意識し、製品の企画や開発、または商品購入時の参考にしてください。